捧げ文
□嫌われてるんだ
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「…つーことがあってな、」
「…はぁ」
屯所でこの間会った話を山崎に話ながら
向こうで興味なんて全くないみたいな顔をしている総悟が
「土方さん、それ逆に旦那にもっと嫌われたりやしやせんかィ？」
「は？」
「あ！それ、俺もそう思いました！だって俺だったらシカトされたら、あー嫌われたかなぁって思いますもん」
意外とどっちも話しを聞いていたのかと思いつつ
俺はその時のことを思い出す。
「……別に睨んだりとかはしてねぇぞ」
「違いますよ！あー、もしもですよ？もしも、副長が旦那に話しかけてあっちはこっちに気付いたのに旦那がそのままどっかに走って逃げたらどう思います？」
「……っ、別にいいんじゃないか、そいつの自由だろ」
「少なくともいい気分ではないんじゃないんですかィ？土方さん」
そう考えると
確かに、あいつに話しかけられて
目が合って、俺はあいつに気付いたのに。
万事屋からしたら俺がシカトしていたとしか
見えないだろう。
「………」
「確かに気付かれるか気付かれないかの問題は重要でさァ、でもそれ以前に嫌われたらどうしようもないんじゃないんですかィ？」
「俺もそう思いますよ」
とりあえず普通に話してみればいいじゃないかと
二人はそう言うとそれぞれの持ち場へ行き
俺はそのアドバイスをぼんやりと考えながら
一人自室でため息を吐いた。