捧げ文

□目の前にいるのは
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「よ、…万事屋…?」

「………」

じーっと眠そうな顔でこちらを見ていて
俺はその沈黙と視線に耐えられず目を反らした。

「い、いい加減目ぇ覚ませっ…!」

「………」

それでも無反応な万事屋に蹴りでも入れてやろうかと
足に力を入れようとすると
その瞬間

「んっ…、」

突然万事屋の手が俺のケツを撫でて

思わず声が出てしまい
頭の中がパニックになった。

「ちょっ、なに、して…!」

「ぁー……」

まだ寝ぼけた状態なのか
何かを手探りで探すように俺の身体に触りだして。

「ぁっ、ちょ、…やめ、ろって…言ってんだろうがぁああ!!」

「…!?、あでっ!!」

これ以上好き勝手にさせていたら
俺の身が保たない気がして
思わず万事屋の頭をおもいっきり殴っていた。

「め、覚ましたか、アホ!」

「あ…?ひじかた?…」

痛そうに顔を歪めながらこちらを見ている万事屋に

俺はとりあえずここにいる理由を聞こうと

口を開いた。

「…てめぇ何でここにいやがる」

「は、いや、何でてめぇこそここにいやがる」

「はぁ?ここは屯所だぞ、お前が夜中のうちに忍びこんだんだろうが」

「へ、俺は昨日ちゃんと俺ん家で……いや、どうだったけ、あれ?」

昨夜の記憶が曖昧なのか

万事屋は眉間にシワを寄せ必死に考え込んでいて。

それを見ながら

どうしたものかと俺はため息をついた。
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