捧げ文
□目の前にいるのは
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「あ、そうだ」
「あ?」
何か思い出したように万事屋は起き上がり
俺の前に少し間隔を置いて座った。
「何か思い出したのか」
「そうそう、昨日はなお前のとこのゴリラと飲み屋で一緒になったんだよ」
「あ?近藤さんと?」
万事屋の話だと
昨夜こいつが飲みに行こうと出かけた時
飲み屋に近藤さんとか他の奴らが飲んでたらしく
お前も一緒にどうだと誘われ
強引に引っ張られ一緒に飲む羽目になり
結局屯所で飲みなおそうという話になって
遅いからもう泊まっていけとかいう話にもなり
寝るとこはないかと探した結果
俺が寝てるとこを発見し
布団も引いてあるしここでいいかと思ってそのまま寝てしまった。
「つーことだな?」
「あー…そんなとこだった気がする」
「お前も近藤さんも適当すぎんだろ…」
とりあえず俺は関係していないことに
正直ホッとした。
「悪かったな勝手によ」
「あぁ?」
「いや、寝床潜り込んじまって」
何だこいつ。
珍しいこともあるもんだ。
俺に対しては謝ったりするやつじゃないと思っていたのに。
それとも何か俺に隠してるのか。