*短編*
□優しさ溢るるこの世界で
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私がワガママを言うと、怒りながらも嬉しそうに笑う清麿がずっと不思議だった。
人から頼られると、面倒くさがりながらも嬉しそうな清麿が。
――『必要とされている』事実が嬉しいのだと、気付いたのはいつだっただろう。
それが全部、寂しさからくるものだと気付いたのは。
私が守ってあげなければと、そう強く思ったのは。
必ず、必ず会いにゆくから。
それまでどうか。
寂しがり屋の清麿が、
泣かないで過ごせますように。
傷付きやすい清麿が、
笑顔でいられますように。
どうか清麿が、孤独を感じたりしていませんように。