*短編*
□SSまとめ
2ページ/14ページ
魔本の設定に『魔物の子供の精神的な成長で術が出る』という項目さえなければ話が作れそうだなと思って出来たSS。
だってその項目があったら、きっと麿の本には大概の術が出ちゃってると思うんですよね。。
という事でソレを取っ払った世界観で妄想してみました。
*****
行き止まりに慌てて身を翻すが、其処には既に敵の姿があった。
――クソ、ここまでか…ッ!!
まだ『パートナー』が見つかってないのに。
ただ己の『魂の半身』に会いたいが為に、今日まで必死に逃げ延びて来たのに。
「はーっはっは、どしたよ?もう鬼ごっこは終わりかぁ?」
至極愉しそうに笑う敵に、ギシリと奥歯を噛み締める。
――何だってんだよ!!
見覚えのある顔ではあるが、名前すら思い出せないような相手に此処まで執拗な攻撃をされる理由が分からない。
「自慢の頭脳で逃げ切ってみせろよ、清麿ちゃんよぉ」
――やかましいわ!!考えてんだよ必死にッ!!!
とにかくまずは時間を稼がなければ。
考える時間さえあれば、逃げる方法を思い付けるかも知れない。
「…お前、俺の事知ってるのか?」
「あん?何だよ時間稼ぎかぁ?」
「ッ…!!」
「…しゃーねぇ、付き合ってやるよ。お前を知らないわけないだろ?『不動の一位』、高嶺清麿クン?」
「…何だソレ」
「ぁあ?お前本当に知らねぇの?自分が何て言われてるか」
「自分の噂なんて知るかよ」
「はー、幸せに生きてきてんなぁ、お前」
「変な感心してないで教えろよ、気になるだろうが!」
「…じゃ、ずっと気にしてろよ」
不敵な微笑と共に、奴の本が光り始める。
――ヤバイ、まだ何も…ッ!!!
「覚えてろ、お前を魔界に帰した俺の事を」
向けられた掌に、ドッと汗が噴き出す。
「ちゃんと覚えてられたら、俺が王になった暁にはお前を…」
掌の先に現れたエネルギーの球体に、キツく目を瞑った瞬間。
「待つのだー!!!」
突如響いたその声の主は、足元の黒猫を抱き上げて目を細めた。
「…お主等、何をしておるのだ?」
*****
みたいな感じで始まるわけですよ。
野良の黒猫を追っかけて来たガッシュが、たまたま2:1で追い詰められてる(傍から見たらイジメられてる)麿を発見して助ける所から。
ちなみに魔界での麿の噂は「高い頭脳で無い魔力を補ってる黒猫」という、事実と僻みと何かで構成されたもの。
麿が気付かない所で成績の恨みだとか、容姿の可愛さだとかで色んな人から色んな視線を向けられていたという設定。
小ガ清だったら、麿は何度となくガッシュの前から姿を消すでしょう。
「俺のせいでお前を傷付けるわけにはいかない」とか何とか言って。
でもガッシュがいないと麿は戦えない。しかも魔物同士引き寄せ合うという素敵設定。
なので敵と遭遇して麿はボロボロになるんですが、間一髪ガッシュが来て敵をやっつける。
そんで「黙って居なくなるなとあれ程言ったであろう!?」なんてどっちが大人だか分からないような説教されてると萌え。
中ガ清だったら原作風味。
ただし「清麿の世界の王様をあんな奴には出来ぬ!」といつも通りのガッシュと、「俺は悪い奴でさえなければ誰でもイイんだが…」と適当な麿の間にちょっとだけ温度差が生まれそうですが。
大ガ清だったら、「お主が戦うのか?…その細い身体で?」とか何とか軽くセクハラしながら守り通しつつ、敵の目が少しでも性的な何かを含んでそうものなら容赦なく大技でやっつけてみたり。
「頑張ったのだから、褒美くらいはあるのだろうな?」と図々しく麿に迫ったり。
…大ガ清をエロに繋げ過ぎる事は反省した筈だったんですが、どうも反省が足りなかったようです(死んで来い)
まぁやっぱりヒツジは薄ら黒い大人ガッシュ×純情麿が好きだという事でした。