ミンナナカヨシ
□僕+僕=僕
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「…へ?」
「…はい?」
「…あ、あの…どういう意味…???」
コムイ、リーバーは、サラリと彼の放った言葉の意味の重たさに
驚きのあまり硬直していた
臆病なアレンだけがただ一人、わけもわからず
無垢な瞳で、腰に添えられた手に戸惑っている
「さっきからね、何か引かれる感じがするんですよ…」
『魂が引かれ合うのかな』と、小声で言いながら
隣のアレンを抱き寄せる仕草は
わざとそうしているのかと思うほど、妖艶である
「キミも感じませんか…?きっと、一つに戻りたがってる…」
((く、黒アレン…!))
覗き込むように顔を近づけた、髪の長いアレンを見て
リーバーとコムイは同時に思う
彼が黒アレンならば、顔を近づけられ
真っ赤になって視線を泳がせるアレンは
さしずめ、白アレンというところだろうか
「…よくわからないけど、触れられると…安心は…します…」
「ん…素直な返事ですね…」
まるで、子犬に褒美を与えるかのように
とても自然な仕草で、全体的に赤く火照っている
その額に小さく口付ける
「ちょ…っ、ア、アレン君…?」
見ている方が中てられてしまうほどの空気に
耐え切れずコムイが声をかけると
誘うような瞳が、コムイに向けられる
(…う;)
まともに見つめられれば、思わずゾクリとするほど
妖しく輝くその細められた銀灰色の瞳
「コムイさん、空いてる部屋、貸してもらっていいですか?」
「え…、えぇ!?」
思わず、大きな声を上げてしまう
何をするためかなど、聞かなくとも明白だ
「どうしたらいいかわからないなら、試してみる価値はあるでしょう…?」
『ねぇ…?』と、白アレンの耳に囁けば
彼は、くすぐったそうに、身を縮め、頬を染めた
「し、室長…?」
どうするのだと言いたげなリーバーに
助けを求めたいのはこっちだと
コムイは心底思う
しかし今、他になんの手段もみつかりはしない
コムイは口を噤んだ…