ミンナナカヨシ
□僕+僕=僕
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しばらく任務の予定が空き、アレンは食堂でのんびりとした
時間を過ごしていた
ふと、目の下にくっきりとクマを作ったリーバーが
忙しそうに食堂の横を通っていくのに気づき
その姿を目で追った
(忙しそうだな…特に予定もないし、手伝おうかな…)
思えば、それが彼の災難の幕開けだったのだ
【僕+僕=僕】
手伝いを申し出たアレンを、猫の手も借りたいくらいの
科学班の面々は、もちろん大いにそれを歓迎した
見渡せば床にまで散らばった、書類の山、山、山…
「じゃあ、この印のついた資料集めて、このファイルに閉じてくれ」
「は〜い…」
30枚あるはずだから、そう言われ
机の上から、足元まで、書類を捜しながらファイルに綴じていく
「あれ…リーバーさん、29枚しかありませんよ?」
「ん…?おっかしいなぁ…おい、ジョニーも探すの手伝ってくれ」
リーバーに呼ばれ、同じく目の下にくっきりと
クマを作ったジョニーも、書類捜索に加わった
「いったいどこにまぎれたんだろう…」
キョロキョロと辺りを見渡すと、ポツンと置かれた箱が目に留まる
もしかしたらと思い、何気なくその箱にアレンが手をかけた途端
「あ〜〜!アレン!ダメだよ!その箱は…」
「…え?」
ジョニーが慌てて叫ぶが、時すでに遅く
箱を開くと同時にボンっと小さな爆発のような音と共に
白い煙が立ちこめ、アレンをおおいつくしていった