白王子と黒姫
□無人の浜辺
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任務が以外にも早く片付き
明日の汽車までには余裕ができた
「…で?こんなとこに引っ張りだしてきてなんのつもりだ…?」
ユウは不機嫌そうにつぶやいた
「なんのつもりって…せっかく一緒の任務だったんですし
こんな時くらいデートしてくれたっていいじゃないですか〜」
前を歩くアレンは、子供のように唇を尖らせた
季節外れの浜辺は、人気もなく、波のざわめきだけが聞こえてくる
「浜辺でデートしてるんですから、もうちょっと甘くなれません?」
「…本気で言ってんのか…?」
吐き捨てるように言われて、彼にそれを求めた自分に無理があったと
思わずアレンは自分の額に一指し指を当て、口元を引きつらせた
潮の香りが鼻をかすめていく
沈みかけの夕日が、こんなにも美しく2人を照らしているというのに
どうしてそうもそっけない態度しかとれないのだろうと
半ば呆れた様子でみつめた彼の横顔に
アレンは思わず目を見開いた