白王子と黒姫

□If・・・
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殺風景なユウの部屋
そこはいつでも、凛とした空気に包まれている。
椅子に座り、本に目を落とすユウを、アレンはベッドから見つめていた
部屋には、本のページをめくる音だけが響く。

『ねぇ神田…』

沈黙を破ったのはアレンの方
一緒の部屋にいるのに、こんな風に相手にされないのは、最早日常茶飯事だった
しかし、ユウがこの部屋に招き人間は極少数だ。
それが許されるだけでもと、アレンは文句を言わないようにしているのだけれど…

『なんだよ…』

本から目も離さずに応えるユウに
アレンは小さくため息をついた
ふてくされたようにベッドにゴロンと横になり、腕を目の上に被せる

そのままアレンは、明け方見た少し悲しい夢を思い出していた

呼びかけておきながら、黙ってしまったアレンを不審に思い
ユウはようやくその視線を、本からアレンに向ける

『モヤシ…?寝たのかよ…』

『…起きてますよ』

被せていた腕を少しずらし
薄暗い天井を見上げる

『夢を見たんです…』

ポツリとつぶやいたアレンに
ユウは意図をつかめずにポカンとすることしかできなかった
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