白王子と黒姫

□バレンタインストーリー
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2月14日
この日は少し、教団内が騒がしい
普段は浮ついたことなど
暗黙の了解で封じられている、秘密組織にも
少しだけ訪れる、甘い雰囲気…

「アレン!待って〜!」

あまり数は多くはないとはいえ、教団内には
もちろん女性エクソシストも存在する

「なんです?」

あまり見覚えのない女性に声をかけられ
アレンは不思議そうに振り向いた

「コレ…」

「あ…」

手渡されたのは、可愛らしくラッピングされた小さな包み

(いけない…今日だった…)

アレンはその包みに、今日の日付を思い出す

「甘いの…ダメだったっけ…?」

一瞬浮かばせてしまったのであろう苦い表情に
女性は悲しそうな顔をしている
アレンは慌てて手をブンブンと振ってみせた

「いえ!大好きです、ありがとうございます!」

「よかった^^」

慌てて言ったためか、彼の言葉の『大好き』だけが
少し強調されたように聞こえた
それはもちろん、『甘い物は』に決まっているのだが


例えばそれを遠くで見ていた人がいて
目の前に女性の存在を確認して
そんな言葉が聞こえてきたら
それをどう受け取るであろうか
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