白王子と黒姫

□僕のモノ
1ページ/10ページ


 ラビとの任務を終え、報告を済ませたユウは
自室を目指していた

「神田!おかえりなさい!」

後ろから小走りに駆け寄る足音と共に
聞きなれた声が耳に届いた

「でかい声出すんじゃねぇよ…」

呆れた様子の中に、どこか安心を含んだような表情で
ユウはゆっくりと振り返った

アレンは慌てて周りを見渡す、誰もいない事を確認し
少しバツが悪そうに、ペロっと舌を出して見せる

「だって…任務でしばらく会えなかったから嬉しくて…」

そう言いながら、2人で歩き出す
アレンが部屋にまでついてくることに
最早、何の疑問も覚えないほどの間柄であることは
もちろん周囲には、極秘事項だった

少し周囲に気を配りながら、ユウの部屋に入る
ドアが閉まるや否や、アレンはユウの身体を抱きしめた

「おい…待てモヤシ…っ!」

「無理です、待てません…」

引き離そうとするユウを無理やりに抱き寄せ口付ける
閉じる唇の中に舌をねじ込み、その口内をくすぐった

「ん…神田…?血の味がする…」

「だから待てっていっただろうが…」

心配そうに見上げてくるアレンに、ユウは軽くため息をついた

「俺が怪我したんじゃねぇよ、ラビがドジりやがったんだ」

ただ、アレンの心配を取り払おうとしただけだった
しかしその言葉に、アレンはピクリと反応する
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ