白王子と黒姫
□愛情表現@
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たまにはその口から聞きたい、そう思った、ただそれだけ
「神田、好きですよ」
「…は?」
アレンの唐突な言葉に、相変わらずの仏頂面を
神田はさらにしかめた
「僕は神田が好きです」
「…」
「…」
返事すら返してこなくなった神田を
アレンは子犬のような視線で見上げた
「…神田は?」
振り絞るようにして出したアレンの言葉
神田は答えない
「そんな安っぽい言葉にばっか頼るから、振り回すし振り回されんだよ、テメェは」
「…言ってくれなきゃわかりません」
拗ねた子供のような顔をするアレンに、神田はこれでもかというくらいの
大きなため息をついた
「言葉なんかで伝わるもんより、言葉意外で伝わるもんの方が重い」
神田は、断固として『ソレ』を言葉で伝えるつもりはなさそうだ
ただ、乞うような瞳を向けていたアレンも、次第に苛立ちが募っていく
「ちゃんと伝わるような行動取ってる人が言えば、説得力あったんでしょうねぇ、その言葉」
ハンと、鼻で笑うように嫌味をぶつければ
神田の瞳がキっと釣りあがる
「それが読み取れねぇのは、テメェの未熟さだろうが」
冷たく言い放たれたその言葉に、アレンの中で
何かがカチン!と軽快な音を奏でた