白王子と黒姫

□ご主人様の言う通り
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 不愉快なお茶会を強制的に行わせたコムイに
ある程度の報復をすませ

自室に戻ると、どっと疲れを身体に感じた
ユウには珍しく、疲労の濃い表情を浮かべ
ベッドに座り、壁に背を預ける

浴場に行こうか、それともこのまま眠ってしまおうか
ベッドでそんなことを思っていると
部屋の扉をノックする音が聞こえた

面倒くさそうに立ち上がり、ドアを開けたユウは
あからさまに、その整った顔を引きつらせた

「そんな嫌な顔しなくてもいいじゃないですか〜…」

そこには、何やら荷物を抱えたアレンがちょこんと立っていた
一気に眩暈を覚え、ユウは目頭を押さえる

すぐにでも追い返したい気分だったが
それを言って騒がれては、さらに体力を使うと
仕方なくユウは、彼を部屋に招き入れた

「お疲れですね〜」

「…当たり前だろ…」

先ほどの一件で、誰よりも屈辱的だったであろうユウの心労は
アレンにでも容易に察しはついた
しかし、この時
そんな彼を休ませてやる気など
アレンにはまったくなかったのだが…

「可愛かったですよね〜、さっきの神田」

「テメェ…」

ケンカを売りにでもきたのかと言わんばかりに
睨みつけられるが、アレンは少しも動じた様子はない

「ねぇ、あんなのが似合うなら、これも似合うと思うんですよ」

そういって、持ってきた袋の中から
取り出したその洋服を見て、ユウは言葉を失った

黒い生地のワンピース
肩の部分にふくらみが出るようなデザインになっており
スカートの長けは短く、やたら横にフワフワと広がる

同じ袋から取り出された、白いフリルのエプロン
ガーターベルト、フリルの白いカチューシャ
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