白王子と黒姫

□warped mind
1ページ/7ページ

 僕は上手な愛し方なんて知らない

愛しい気持ちを、ただ叩き付ける事しか知らない

愛しくて、抱き締めたくて
でも、力の加減がわからなくて

全て、全て、愛しいモノ全て

握り潰してしまいそうで……



 warped mind 



 「ぐっ……ぅっ!かはっ……!」

苦しそうに酸素を求めているその姿が
美術作品のように整った顔が
乱れる様子が

僕の心を震わせる

「神田……」

溶かすように、甘く囁きながら

「っ……!!」

その白い身体に爪痕を刻む

「…痛かった?」

クスリと微笑んで見せれば
涙を浮かべた瞳がキツく僕を睨み付けた

「テメェ…っ!!」

反論の暇は与えない
言葉も紡げぬ程に
刻みつける、叩き付ける

「う…っ…くぅっ…!」

噛み付いて、引っ掻いて
滴る血を舐め上げてみせれば

彼は痛みと快楽に身を捩る

愛しい

彼の持つイノセンスそのもののような
刃のように研ぎ澄まされた君

いつもキリと髪を結び上げ
凛と先を見据える姿も
その髪を乱し、虚ろな瞳に涙を浮かべる姿も
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ