紅の兎と白い子犬
□包み込むように
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「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
2人は無言のまま、硬直せざるをえなかった
ここはアレンの部屋
なぜ2人が無言のまま固まっているのか
それは、少し前に遡らなくてはならない
【包み込むように】
自室は2人部屋だから落ち着かないと
理由をつけてはいつもラビは
アレンの部屋を訪れる
(僕の部屋に来たって2人なのは変わらないのに…)
そう思いながらも、あえてそれを口にしないのは
アレン自身も、ラビがここにくることを
望んでいるからだ
そしてこの日も
いつもと変わらず、ラビはここへやってきた
「ん?アレン、その箱なにさ」
なにやら白い箱を見つけ、ラビが何気なくあけると
中には、キレイにデコレーションが施されたケーキがある
「ああ、それコムイさんがくれたんです」
「コムイが…?」
その人物の名に、思わずラビは口元を引きつらせた