紅の兎と白い子犬

□包み込むように
1ページ/10ページ

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

2人は無言のまま、硬直せざるをえなかった

ここはアレンの部屋

なぜ2人が無言のまま固まっているのか
それは、少し前に遡らなくてはならない




【包み込むように】




 自室は2人部屋だから落ち着かないと
理由をつけてはいつもラビは
アレンの部屋を訪れる

(僕の部屋に来たって2人なのは変わらないのに…)

そう思いながらも、あえてそれを口にしないのは
アレン自身も、ラビがここにくることを
望んでいるからだ

そしてこの日も
いつもと変わらず、ラビはここへやってきた

「ん?アレン、その箱なにさ」

なにやら白い箱を見つけ、ラビが何気なくあけると
中には、キレイにデコレーションが施されたケーキがある

「ああ、それコムイさんがくれたんです」

「コムイが…?」

その人物の名に、思わずラビは口元を引きつらせた
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ