紅の兎と白い子犬
□月夜のテラス
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眠れない夜、アレンはそっと自室を抜け出した
皆が寝静まった教団のテラスに出ると
冷たい夜風が頬を撫でていく
どのくらいそうしていただろう、いい加減身体が冷えてくる
(何か上着でも着てくればよかったな…)
そう思いながら、自らの身体を抱きしめるように震えた時
まるでそのタイミングを待っていたかのように
優しいぬくもりに背中から包まれた
「ラビ…?なんで…」
振り返りもせずに、アレンがつぶやく
服装から、ではなくて、その温もりに包まれた瞬間
それが彼であることが、すぐにわかったのだ
「なんとなく、ここにきたらアレンに会えそうな気がしたんさ」
「また…どうせブックマンのお説教聞き飽きて逃げてきたんでしょ?」
ラビの言葉に一瞬高鳴る鼓動を、触れ合うラビに悟られてしまわぬよう
アレンはしれっとつぶやいでみせる
「相変わらずつれねぇの…」
そういいながらも、ラビは離れる様子を見せない