白王子と黒姫

□僕のモノ
3ページ/10ページ

「さぁ…早く…!」

さらに、ギリ…と手に力がこもる
普段ならば、プライドの方が邪魔をして
アレンの言いなりになど絶対にならないユウだが
殺気にも似た気迫に、本能が悲鳴を上げている

【逆らってはいけない】と

「…ァ……ア…アレ……ン……」

かなり小声ではあったけれど、ユウの口から出ることなど
そうそうあるはずのない単語に、アレンは満足そうだった

「そう、それでいいんです…」

力を入れたままの手で、その顎を強引に引き寄せ
乱暴に口付ける

かすかに残るユウのものではない血の味を
全て消し去ろうとするかのように
舌をねじ込み暴れ回らせた

「んっ…ぅ…!」

息苦しさに、アレンの服を引っ張るが
そんなことにはかまわず、アレンは深く口付けた

舌を絡ませ、溶け合いそうになるほどに
吐息が絡み合い、口内が熱を帯びてくるまで
アレンはその激しい口付けをやめようとはしなかった

銀色の糸を伝わせ、その唇を離す頃には
ユウの身体は熱に犯され、グッタリと脱力していた

「こんなことでバテられたら困りますよ…神田…」

脱力してドアに寄りかかる、自分よりも少し大きなユウの身体を
アレンはふわりと抱き上げた

「!?」

驚き目を見開くが、ユウには暴れるほどの体力も残ってはいなかった

ドサリと乱暴にベッドに下ろされたかと思えば
アレンは、自分のしていたリボンタイをしゅるりと抜き取る

そして、器用にユウの両手を頭の腕に縛り上げた

「モヤ…っ!」

「アレンだって言ってるでしょう?もう忘れたんですか…?」

ユウに馬乗りになると、アレンは冷ややかな視線でユウを見つめた

ベッドの装飾部分につながれた両手は
いつもの力があったならば、振りほどけていたのかもしれない

けれどユウからは、かなりの体力が奪われていて
馬乗りになっているアレンを、蹴り落とすことすらできない
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ