白王子と黒姫

□warped mind
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君の全てが愛しい

愛しくて
愛し過ぎて

「僕は…君を……」

抱き締めるこの腕は
未だ力加減を覚えない

「…壊してしまいそうですよ……神田…」

息も出来ぬ程に追い立てながら
消えそうな声で囁いた

「ふっ…ざけん…っな…っ…!」

何も考える事などできないくらいに
声など耳に届かぬくらいに
激しく揺さぶっているのに
君は僕の囁きを逃がさない

「誰がっ…!テメェ…っ…なんかに……壊される…かっ…!!」

「っ…!」

思わず目を見開いた

君の優し過ぎる悪態が
愛しくて憎たらしくて

(その強さ…へし折りたくなるよ…)

醜い熱情を叩き付けるように
さらに激しく揺さぶれば
君の身体は水面の魚のように跳ねた

幾度果てても止まらずに
ただ自分の欲をぶつけ続ける

「うぁっ…!もっ…無理…!…やめ…っ……!!」

君が意識を手放すその瞬間まで
君の声など聞こえない振りをして
僕は

コワレテシマエ


心の奥で
醜く呻きながら…


『愛』と称した『欲』を叩き付けた
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