紅の兎と白い子犬

□月夜のテラス
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「アレン…つめてぇ…」

「しばらく外にいましたからね」

当たり前だと言わんばかりに返せば、ラビの腕に力がこもる

「あったかい…?」

そう言われて、改めて感じる彼の体温
今までもそうしていたのに、何も変わらないはずなのに
急に背中から、大きな温もりに包み込まれるような感じがした

「…暖かい」

素直にそう思う
それは、体温だけではなくて
包み込んでくれる優しさが
アレンの心までを暖める

「そっか」

満足そうに言うラビの、太陽のような笑顔は
顔を見ずとも簡単に想像がついた

つられるように、自分も笑顔になっていたことに
アレンは気づいていたのだろうか…
肌寒い夜に、少しだけ感謝をしたアレンだった。

<FIN>
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