◆interest family◆
□黒い光
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「ラビ、本当にいいんだな。」
オレは、やっぱり皆に別れを告げる事ができないままここを立ち去る事になった。
…まぁ、これから一応敵同士になるわけだし、話したら絶対に止められて、かなり悔いが残っただろうからこれで良かったんだ..よな。
「あぁ、いいんさぁ。」
少し欠けた月が城の真上に来た頃、コムイに教団を去る事だけを告げイノセンスを預けてきたオレらは、最小限の荷物をだけを持ち教団から忍び出た。幸い、まだ聖痕は出てきていない。
「遅かったな。」
町外れの森に、ルル=ベルはいた。
「…少し、事後処理があっての。ラビ、行け。」
「……ジジィは、これからどうするんさ?」
「聞かなくても分かってるだろうが...この馬鹿者目が。それより、聖痕がまだ出てきてないのだが?」
「聖痕は、主の命で私が出るのを少し遅らせてある。だが今夜中には激しい痛みと共に出てくるだろう。もう行こう。主がお待ちだ。」
ルル=ベルの目がオレをしっかりと捉えた。
オレはそれに軽く合図し、
「……分かった。じゃな、ジジィ...。」
ジジィの前から、…皆の前から姿を消した。