◆interest family◆
□闇に呑まれた悪徳者
1ページ/3ページ
「では、瑠矩。今は、待機していなくてはなりませン♪なので、しばらくは自由に過ごしていて良いですョ。」
「分かりました、千年公。」
俺は静かにそして単調に応えた。
「じゃあ、ルル=ベル♪瑠矩を部屋に連れて行って下さィ。」
「分かりました。行くぞ、瑠矩。」
「あ、うん...。」
……ココって、どんだけ広いんだろう。廊下の先は闇がぎっしり詰まっていて、一向に壁というモノが見えそうにない。
いや、ただ闇が詰まっているから広く見えるだけで、本当は凄く狭いのかもしれない。
それぐらい、周りが判らない。
ルル=ベルにそう言ったら『気にするな。』って言われた。
恐らく、ルル=ベル自身にもはっきりと判っていないのだろう。
更にしばらくついていくと、ルル=ベルがある扉の前に立ち止まった。
ドア自体は他となんら変わりない。ただ、俺の目線のすぐ下辺りに『Ryuk』という文字が浮かび上がるように記されていた。
「ここが、お前の部屋だ。」
「うん、ありがとうさ...。」
「……それでは。」
「あ、あのさ!ティキの部屋って...どこさ??」
ルル=ベルが去ろうとした時、オレは無意識にそう言った。
…何言った、俺は今。
「ティキの部屋は、あの一番奥だ。」
そんな質問をルル=ベルは予期していたかのように廊下の奥を指差して返した。
「わかった、ありがとう...。」
俺は嘘臭い笑みを浮かべた。