◆interest family◆
□心の底に眠るもの
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「……ここかな。」
俺は、ティキに示された場所に来た。
だだっ広い雪山。
…迎え寄越すつってたのに、誰もいないじゃん。
つか、こんな寒い場所で仕事なんか出来んの?
「…お兄さん、誰?」
突然下から声をかけられた。
声の主は栗色の髪の小さな子供。ーたしか、汽車にいた..
「………え…っと...ラ..じゃなくて、瑠矩...さ。」
「…じゃあ、ティキの親戚の人?」
「え..あ、うん...そうさ。」
ーあ、そっか...わからないんだ。
あの髪色は目立つから、軽く暗くして髪型を変えてある。
会ったのも随分前だし、オレあの時影薄かったからなー...。
「…僕はイーズ。仲間の所に行くからついてきて。」
「……分かった。」
イーズという少年に連れられ、今にも崩れてしまいそうな山小屋に入る。
そこにはぞくに浮浪者と言われてるような人達が沢山集まってて、俺は一斉に睨まれた。
イーズはそんな事はお構いなしに奥へと進んでいく。俺がたじろぎ動かないでいると、一度だけ振り向きじっと見る。
仕方なく俺はついていく。
…少し歩くと、見覚えのあるニット帽の男と長身の男がいた。
「……モモ、クラック。連れてきたよ。」
「おう!」
「よろしくな!!えーと...」
「…瑠矩、です..。これから、宜しくお願いしま..す。」
「リュクか、宜しくな。ティキの変わりにちゃんと働いてくれよ。」
「そんな、固くならなくていいからな。」
「あ、ハイ...。」
「…ねぇ、ティキは..本当に大丈夫なの?怪我して、病気になったって言ってたけど。」
「え、うん..。まだ、あんまり元気はないけど..多分、もう平気さ。」
「………そう、よかった。」
「ところで、お前どっかで会った事あったっけか?」
俺は、一瞬でここの雰囲気が気に入った。確かに仕事はかなり大変だった。
けど、皆が助けてくれてとても楽しかった。
そして、仕事にも少しずつ慣れていった。