◆interest family◆
□闇に捕らわれた猫。
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…あんな事言っちまったけど..本当は、少し怯えていた。
……初めて、自分がこの道を選んだ事を後悔していた。
あの時、ユウに向けた殺気は本物だった。自分でも制御出来ないぐらいにユウを、仲間を傷つけたエクソシストを憎んでいた。
このままじゃ、自分の心がノアに乗っ取られてしまうんじゃないか、そう思った。
…自我を保てないブックマンは闇に呑まれ、闇に消されてしまう。
俺はいつまで自我を保てるのだろう。
「……ルル=ベル?」
何気なく窓から空を見上げると、1つ上の階の窓に腰かけて外を見ているルル=ベルの姿が見えた。
…気がついたら、俺は其処にいた。
「………なんだお前か。」
「教団、行ってたんさろ?」
「お前に話す事は、何もない。」
「ひっでぇー」
「…何故此処にいる。」
「いいじゃん、俺の勝手さ。」
そう言って俺は、ルル=ベルのいる窓の隣の壁に背中を預けた。
そしたらルル=ベルは隣の窓に移ってしまった。
「………。」
「…俺って、ホント信用ないんさね。」
「お前は、ブックマンだからな。」
即答されて、更にブックマンを侮辱された気がして、ムカついた。
「ブックマンは、すぐに裏切る。そういう事さ?」
「主の考えている事は、そんな甘い事ではない。」
「じゃあ、なんさ?」
「…お前はブックマンとして、此処からもう逃げる事は出来ないだろう。」
「はは、そんなのはルル=ベルが教団に来た時から解ってら...。それでも追求を止められないのが..「それがブックマンの性か。」
「そうさ。それが、ブックマン一族永遠の定めなんさ。わかってんなら、聞くなよ。」
「…永遠。…ブックマンは、一族の末裔のお前が滅びたら歴史の裏へと消えていくのだろう?永遠ではないじゃないか。」
「まだ、滅びるって決まったわけじゃないから、俺は諦めるつもりはないさ!」
「無駄だ。どんなに足掻いても、ノアは主から逃げる事なんか出来やしない。」
「そんなのやってみないとわからないさぁー!!」
「お前は、、ブックマンなのか...そうじゃないのか、本当に分からない。奇妙だ。」
「俺は、今を瑠矩という名のノアとして過ごす、ブックマン一族の末裔。それ以外の、何者でもない。」
「…そうか。」
「ルル=ベルと話してたら、ちょっと気が楽になったみたいさ。ありがとう...。」
「…別に、私は何もやっていない。」
「そういうツンツンしてる所がいいさね♪」
「……」
「えー、無視ですか??」
「…私は...お前みたいな弱い兎は、嫌いだ。」
「………だから、俺は兎じゃないさぁ!!!!!!!」