◆interest family◆

□月夜に見せられ
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…闇に呑まれた者は、月を求める。星一つない真っ暗な空に在り、その背景によく映える唯一の灯り。
けど、それは決して求めてはならないモノ。

何故なら追い求めて夢中になって上ばかり見上げていたら、いつかは闇に足下をすくわれてしまうから。

それは光の下にいる者にも言える事。太陽を求める愚かな旅人は太陽の熱に気付かず、すぐに力尽きてしまう。

表と裏ではない。あくまで対の関係だ。
だから似ている所が在る。それだから存在していれる。

2面ではなく1面。同じ世界に存在してる2体。いつ相手と同じ立場になってしまうか分からない。

必死で相手を消そうとしているが、それは相手は自分と全く反対の存在だと思い込みたいから。

それが単なる思い込みだったのだと気づくのは全てをなくす時か、相手の狂気に触れて死を思った時。

それを知って、それでも相手と変わらずに戦いを出来るモノはいない。人間は依存するイキモノだから。

振り切ったと思っても、わかった事を完全に忘れる事は出来ない。

さあ、ブックマンよ。お前はどう生きるのか。


キミはきっと追うモノが在ったから此処まで生きてこれたのだろう。師の背中。歴史を語り継ぐ使命を持つブックマンという名の肩書き。全てを知りたいという欲求からくる希望。


でも、キミはそれを全部失った。

沢山の知識を得る為に、普通に生きる事を捨てた。
普通に生きるモノは、依存を無意識に分散する。

でもキミは、フツウじゃない。

キミの師は長く生きていたからその依存という欲求を消しされたみたいだけど、キミはまだ師の生きていた時間の4分の1も生きていない。
キミは執着が人より特に大きいらしい。

それを持ったまま本当に、生きていけると思ってるの?押し殺してたら、いつかは必ず爆発するよ。
まあ、キミの人生はキミのものだ。例えその生活が長く続かなくとも、好きに生きればいい。
せいぜい足掻いていればいいさ。

運命だけは、変える事が出来ない事実なのだから。
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