◆interest family◆
□要となりし
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3ヶ月にも及んだ長期任務が終わって、久々の教団。
方舟から地面へ降り立つと、アレン君が私の方へ歩いてきた。
「…お帰り、リナリー。」
「ただいま、アレン君。」
「……あれ、貴女一人だけですか?」
アレン君は、ちらちらと方舟の方へ視線を泳がせていた。
「神田の事?神田なら此処に帰る途中で、用があるとか言って何処かに行っちゃったわ。」
「そう...ですか..。」
「神田に何か用があったの?」
「いや、そういう訳では...。……リナリー、あの..」
「..何?」
「任務中とか..神田、変だった事ってありませんか?」
「変な事?」
私は任務中の事を思い返した。でも、そんな事はなかったと思う。
「変..というか、いつもと違うとか...」
「特になかったと思うよ?どうしたの、急に。」
犬猿の仲だからこそ気づく事もあるのだろう。
「…半年ぐらい前、神田が笑ったんです。」
「笑ったの?あの神田が?」
「ハイ...。狂ったように。どうやらラビの事が原因のようで..。」
神田がラビに似たノアに遭ったという話は、エクソシストにだけ伝えられた。
リンク監査官も勿論知ったけど、最近ルベリエ長官の事を疑い始めてるらしく、中央庁にもこの事は知らされてない。
「…そう..なんだ。」
「なんか..それから神田と会っても、必ず無視されるようになって、喧嘩さえ1回もしていません。」
喧嘩を全くしないなんて、普段の2人では考えられない。最近、任務が立て続けに入っていたから私はその事を知らなかった。
「うん、分かった。
私も神田の事気にしてみるね。」
「ハイ..宜しくお願いします。」
「いいのよ、仲間だもん。アレン君も神田も。」
…それと、ラビも。