◆interest family◆

□要となりし
1ページ/3ページ


3ヶ月にも及んだ長期任務が終わって、久々の教団。


方舟から地面へ降り立つと、アレン君が私の方へ歩いてきた。

「…お帰り、リナリー。」

「ただいま、アレン君。」

「……あれ、貴女一人だけですか?」


アレン君は、ちらちらと方舟の方へ視線を泳がせていた。


「神田の事?神田なら此処に帰る途中で、用があるとか言って何処かに行っちゃったわ。」

「そう...ですか..。」

「神田に何か用があったの?」

「いや、そういう訳では...。……リナリー、あの..」

「..何?」

「任務中とか..神田、変だった事ってありませんか?」

「変な事?」


私は任務中の事を思い返した。でも、そんな事はなかったと思う。


「変..というか、いつもと違うとか...」

「特になかったと思うよ?どうしたの、急に。」


犬猿の仲だからこそ気づく事もあるのだろう。


「…半年ぐらい前、神田が笑ったんです。」

「笑ったの?あの神田が?」

「ハイ...。狂ったように。どうやらラビの事が原因のようで..。」
神田がラビに似たノアに遭ったという話は、エクソシストにだけ伝えられた。

リンク監査官も勿論知ったけど、最近ルベリエ長官の事を疑い始めてるらしく、中央庁にもこの事は知らされてない。


「…そう..なんだ。」

「なんか..それから神田と会っても、必ず無視されるようになって、喧嘩さえ1回もしていません。」


喧嘩を全くしないなんて、普段の2人では考えられない。最近、任務が立て続けに入っていたから私はその事を知らなかった。

「うん、分かった。
私も神田の事気にしてみるね。」

「ハイ..宜しくお願いします。」

「いいのよ、仲間だもん。アレン君も神田も。」


…それと、ラビも。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ