◆interest family◆
□生筋
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瑠矩は帰ってからずっと書庫にこもってる。
千年公とティキはロードの家に行っている。ルルもさっきどっか行った。だから今、此処にいるのはオレらと瑠矩だけだ。
「瑠矩。」
「ヒッ、瑠矩?」
「おい、瑠矩!」
「瑠矩っ!!」
「……。」
無反応。一心不乱に本を読んでやがる。
まん前に座っても無反応。仕方ないから、そこから額を軽く殴った。
「………っ痛..!!」
「……反応おせーよ、どうしたんだ?」
「…別に...何でもない。」
そう言いながら瑠矩は、苦しそうに顔を背けた。
何処が何でもないだよ。
「さっき、何処行ってたの?ヒッ」
それには答えず、本に視線を戻す瑠矩。
「っ…いい加減にしっろよ!!」
オレは瑠矩から本を取り上げて床に放った。
瑠矩はそれを興味なく眺めている。
「瑠矩...答えろ。さっき、何処行ってたんだよ。」
「……何処でもいいだろ。」
「よくねぇよ。」
襟首を掴んで無理やり立ち上がらせる。
「ヒッデビッ!?」
「…お前見てるとムカつくんだよ。ブックマンだから仕方ないかもって思ってたけど、お前はブックマンじゃない。もしブックマンなら感情なんかに惑わされない、違うか。」
ーまた無言。オレは構わず続けた。
「お前は自分を見失ってんじゃねーの?だから震えてる。怖がっている。自惚れして、自分に怯えてんじゃねえよっ!」
拳が飛んできた。オレはそれを軽くかわす。
瑠矩がバランスを崩してこけかける。
「文句あんなら言葉で言えよ。」
俺は、ズルズルと本棚の下に座り込む瑠矩を見下ろした。
「……ああ言ってやるよ。俺だって、好きでこうなったわけじゃない。そりゃ沢山の物事を知る事が出来るってだけで、オレはブックマンになるって決めたさ。でも、それは世の中の事が何もわかってない子供だったからだ。…今の世の中を知ってから、俺は自分が何をしたいか...もうよく..わからないんだ。」
頭を抱えて呟く瑠矩に、ジャスデロから一言。
「ヒ..じゃあ、ブックマンを継ぐ気はもうないの?」
「……。」
瑠矩の顔が一瞬強張った。