◇幾何学◇

□赤点祭りと勉強地獄。
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勉強なんか、一体何の意味があるんだ。
社会に出て役に立つ事なんかほんの一部じゃないか!


なのに..そんなもので、順位を付けられる。

……不条理だ、こんな世の中は。


放課後。
誰もいない教室。
裏返された解答用紙が僕の机の上に散乱している。

返却されたテスト達は、赤点ばかり。だけど家庭科は必要に迫られて小さい頃から不器用ながらも家事の全てをこなしていたから、ほぼ満点だ。

でもそれぐらいで認めてくれる程、世間は甘くないらしい。

ー…はぁー..

「部活、行かなくていいの?」

「…リ、リナリー先輩!?」

僕は飛び起きて、散らかっていたテスト用紙を慌ててかき集めた。

「これ、テスト?」

「み、見ないで下さいっ!…それより、どうして此処に?」

彼女は演劇部の先輩で、少しだけ僕の憧れの先輩だったりする。…でも最近は、部活にあんまり来てないし...変な噂がまとわりついてる先輩でもある。

「今、久々に部活行ってきたんだけどさ。ラビ先輩もアレン君もいないし、暇だから抜けてきたんだ。」


「ラビ先輩が、来てないんですか..?」

おかしいなー...いくら3年のこの時期だからって、文化祭前に部活休むような先輩じゃないのに。

「うん、そうなの。靴はまだ在ったから、学校にはいるはずなんだけど。アレン君、暇なら一緒に探さない?」

「部活行かないと...」

「ラビ先輩いなかったら、まともに練習できやしないじゃない。」

「まあ、そうですけど..」


此処の演劇部は総勢8人で、男子が僕とラビ先輩の2人だけ。

だから役の掛け持ちもよくある。

だから今回も、副部長兼総監督のラビ先輩は、演技が上手いのもあって一番台詞の多い主役かとか他3役をもこなす事となっている。

「…ほら、行くよ!」

「あ、ちょっと待って下さい〜!」


ラビ先輩、何処いるんですかーー!!
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