◇幾何学◇
□現実夢
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僕らは唖然としていた。
なんせ、、あの先輩が、あの..神田先輩が...街中の、人がそこそこ通る公園で……見知らぬ女性と、、抱き合っているのだから。
「…オレ、ユウがあんなに感情を剥き出しにしてんの初めて見たかも。」
ラビ先輩が語りだした。
「だってー、3年間殆どずっと無表情だったんだぜ?
最近、やっと笑ってくれるようになったけどさー...。」
「何ですか、、それ。
愚痴ですか?それとも、嫉妬ですか??」
「あーそっかーっ!」
僕の言葉を無視し、何かを思いついたように先輩はポンと手を叩いた。
「…何ですか?」
「さっき、アレンとリナリーが教室来たじゃん。その後、リーバーが『ユウには心に決めた人がいる』みたいな事言ってたんさー!」
「え、じゃああの人が...まさか、、」
「そうじゃなきゃ、あり得ないさ。あのユウだし...。」
「……ですね。
でも、、このまま放置しててもいいのでしょうか?」
…なんか、周りの視線がかなり痛々しい。
そっとしておきたいけど...先輩の性格だと後でどうなってしまうか分からない。
「……転がってる鞄だけ持って帰るか。後でリーバーの家に鞄届けるとして。」
「…放置ですか??」
「ううんー。流石にそれは可哀想だし。
ユウ、ポケットに携帯入ってるから、メールして、んで素早く立ち去る。
オレらにとっても、ユウにとってもその方がいい。」
無表情の棒読み。…やっぱ限界ですかね...。
「分かりましたー。」
ー…とりあえず、帰ってから少しは勉強しよーかな...。