◇幾何学◇
□ツナガリ
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「おい、馬鹿ティキ...朝だっつってんだろ!いい加減、起きろよっ!!」
「……ぅー...」
俺は両親が弟のジャスデロとアメリカに行ってしまって、昨日から本格的に従兄のティキの所に転がり込んだ。
今日の午後は三者面談がある。いつもならそんなのはソッコーさぼるけど、何だかんだ言ってもあの担任好きだし。それにティキが出てくれるっていうし。ティキならある程度自由にやらせてくれる。だから此処来たのに。
「今日、三者面談だっつっただろ?」
「……何だよ、お前の学費まで稼がなきゃなんねーのに..少しぐらい寝かせろ。」
「ざけんな、酔っ払い。…こんなボロアパート住んでまで金貯め込んでるくせに。」
ティキはオレがこっちに残る事を大反対した両親に啖呵を切った。自分が全てオレの面倒を見るから預からせてくれって。
実際、それぐらいの財力はあるから両親はしぶしぶそれを認めた。
「……酔っ払ってないし。」
「夜中の2時にハイテンションで帰ってくる奴の何処が酔っ払いじゃないんだよ。」
「…8年ぶりにダチと再会したんだよ。」
「じゃあ、高校卒業以来?」
「……まあな。もういいだろ、その話は。
で、三者面談だから何?ちゃんと行くよ。お前こそさぼんなよな。」
「…さぼらねーよ。ティキだし。
それにリーバーの事は..まあ尊敬してるし。」
「...お前今、何っつった?」
「担任の事、尊敬出来るかもって?」
「…担任の名前は?」
「?..リーバーだけど??」
ぁ...もうそろそろ行かねーと遅刻だ。
「……俺、やっぱ行かなくても..いいか?」
「は!?急に何言っちゃってんの?来いよ、絶対!」
「多分、知り合いだ..そのリーバーって担任。」
「どんな?」
「アイツも今、おそらく二日酔い。」
……ぇ、つまり...飲んでた相手って.....
「…………分かった、よく分かった。とりあえず来て。来なかったら今度こそ進級マジ危ない。」
「お前、そんなに成績悪いの?」
「お前と一緒にすんな、成績だけはいいんだよ。来なかったらマジキレっから。」
……なんか面白い展開になってきたけど、絶対真面目に進路の話出来ないな...。