その他

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「………あ、いた」



しばらく歩いていたら見つけた。黒い短髪で野球のユニホームを着こなした彼を

武は水道で水でも飲んでいるのか、こちらに背中を向けている
だからまだオレには気づいていない



「た―け―し―っ!!」

「わっ!?ツナ!!」



何とか転ばずに走ってこれたと思ったが……
最後の最後につまずき、武の背中にダイブ



「ははっ。大丈夫かツナ?」



背中にくっつくツナに顔を向けて聞いた



「うん。ごめんね武」



山本の背中から離れる



「それにしてもよく迷わずに来れたな」

「うん。獄寺くんと途中まで一緒に来たから」

「えっ!?じゃあ獄寺もいるのか?」

「ううん、いないよ。たまたまこっちに用事があったみたいで、今はそっちに行ってるよ」

「へぇ〜」






「お〜い山本!!監督が呼んでるぞ!!」



その時、遠くで山本を呼ぶ声がした



「ヤベェ!?もうこんな時間か
おぉ!!今行くのな!!
じゃあツナ。オレ行くな。……グラウンドまで行けるか?」

「それくらいは行けるよ!!」

「そっか」



ワシワシと頭を撫でる



「じゃあ行ってくるな」



そう言って額にキスをした



「!?」

「あ、あと2累ベースの近くの、真ん中ぐらいの席に座っていてな」



振り返って言い、そのまま走っていった











「えっと……2累ベースの、真ん中ぐらい……ここらへんかな?」



グラウンドへ着いたツナは言われた通りの席に座った
人はちらほら居ただけだったので、幸いその席は開いていた



「(う〜ん。こっからじゃ遠くて見えないな)」



グラウンドの両端では並中と今回の試合相手、T中学が作戦会議をしていた



しばらくして、グラウンドに選手が出てくる


挨拶をし、試合が開始された



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