獄寺受け
□君と僕だけの箱舟
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*雲獄*
*ほのぼの・誕生日ネタ
*現在
*2010.05.05様に提出
5/5、子供の日。隼人は沢田に誘われたとか言って、子供の日パーテイをやるらしい
でも彼は知ってるだろうか。その日は僕の誕生日だという事を――
「………ふぅ」
応接室でいつものように仕事をする僕。その間にまた1歳年をとったんだよ
まぁ何歳になるかは秘密だけど
そんな事より
「まだこんなにプリントあるな……」
なんて言ってるけど、内心穏やかじゃない
僕は恋人、隼人が誕生日を祝ってくれなくてとっても悲しいんだ
そうだな……、群れてる奴らを素手で咬み殺せるくらい悲しいかな
例えがよく分からない?とにかくそれくらい僕は落ち込んでいるの
「(……そういえば、隼人に僕の誕生日教えた事なかったような気がする……)」
しまった。道理で隼人が祝ってくれないわけだ
何が"知ってるだろうか"だ。教えてないから知ってるわけないじゃん馬鹿!!
自分のおかしたミスに気づきながらも、いつもより静かな空間で仕事を進める
「(静か過ぎるな……そうだ、ヒバードもロールもどっか行ったんだ)」
ここに来た時、ロールが匣から出たがっていたから出してあげた
ヒバードと遊びたかったのかなと思ってそのまま放っておいたら、いつの間にか2匹は居なくなっていた
「(草壁達は別室でプレゼントの仕分けをやってるし……)」
今朝見たプレゼントを思い出すと、眉間に皺が寄るのが分かる
僕の誕生日だからと言って並盛商店街の店とか病院とか市長とかから大量のプレゼントが届いていた
まぁいつもの事だから驚きはしない。草壁達も慣れているので、僕が言わなくても別室にそれらを移動して中身をチェックしている
「はぁ、今年の誕生日も1日中仕事をして終わりそうだな……」
トントン
そう思っていると扉をノックする音が。僕はどうぞと言う
期待はしない
「失礼します」
やっぱり。入ってきたのは草壁。隼人はノックなんてしないからね
「プレゼントの仕分け終わりました」
「そう、ご苦労様」
草壁から一覧表を受け取り、僕はそれに目を通す
「ハンバーグは宅配で送っておきました。チョコなどは冷蔵庫と棚に入れておきますね
獄寺さんが以前食べたいとおっしゃっていたバームクーヘンもありましたよ」
指定の場所にしまいながら草壁は言う
僕は隼人が喜ぶ顔を想像して顔が綻んだ
「……ケーキはどうなさいますか?」
しまい終えた草壁が振り向いて聞く
「君達で食べていいよ」
「分かりました。それと……」
デスクの端、僕の仕事の邪魔にならない所に長細いものを置く
「こちらは我々からのです。毎年こんな安い物ですみません」
では失礼しました、と草壁は一礼して退室した
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