*頂捧・企画*
□触れた温もり、伝わる愛
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*雲獄*
*甘
*現在
「うわっ……すげぇ降ってる」
1ヶ月前に告白されて恋人となったヒバリ。彼は風紀委員長の為、毎日仕事が多い
そんな彼の仕事がやっと終わって、二人で帰ろうと昇降口に来た、が
結構雨が降っていた。窓を締め切っていて気づかなかったぜ
「隼人傘持ってないの?」
靴を履き終えたヒバリがオレの隣に立って聞いた
「あ、あぁ。お前は?」
「僕も持ってないよ。元々傘と群れる気なんかないからね」
「何だよ、傘と群れるって……」
「あと、学校の忘れ物の傘もみんななかったよ」
「マジかよ!?」
まぁ朝はあんなに晴れていたからな。オレ達みたいに傘持ってない奴はたくさんいるか
「……ちょっと待ってて」
ヒバリはそう言うと、雨の中どこかへ走って行った
ブロロン
しばらくしてバイクのエンジン音が聞こえてきた
「お待たせ隼人」
ヒバリはバイクに乗って昇降口の屋根の下に来た
「今日はバイクで帰るのか?」
「うん。この方が早く着くからあんまり濡れないでしょ
……そういえば隼人初めて乗るね」
「あぁ」
「ここ乗って」
「お、おう//」
恋人……と言ってもオレが恥ずかしがるせいで、やっと手が繋いだり、抱きしめたりできる段階まで行ったばかりだ
キ、キスは……まだ無理だ。たまに頬とか額にキスされたりすると、顔が熱くなってしばらくパニック状態になる
酷いと羞恥心のあまりに逃走する事も
そういうわけで、ヒバリとは口同士でするキキキキス//はしたことねぇ
1回ヒバリがしようとしたが、オレが泣き出して中断。それ以来オレを気づかってか、無理やり迫らなくなった
まぁそれはともかく。オレは持っている鞄を背負い、ヒバリが指を差す車体の後ろに跨る
そして遠慮がちに学ランの裾を掴む
「違う、ここに掴まって」
オレの腕を掴んだヒバリは、それを自分の腰にあてがう
「えっ、あ……ヒバリ//」
「ここに掴まらないと落ちるよ」
そう言われたから、大人しく目の前の細い腰に両腕をまわした
「もっとしっかり掴まって。これじゃあ落ちるよ」
「も、もっとか?」
ギュ〜ッとさらに腕に力を込めた
「(は、恥ずかしい//)」
「(……可愛いな)」
それを見た雲雀は満足し、「行くよ」と声をかけてバイクを発進させた
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