獄寺受け

□もしもオレが女だったら
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「その病気は正反対の男化病で治るけど……早くても明日の朝にしか治らねぇぞ」



そう言われ、シャマルに男化病を打ってもらった
そして今雲雀と応接室に居るわけなんだが……



「なぁヒバリ。着替え持ってねェか?」


「ん?どうしたの?」


「何か全身汗だくで気持ち悪い」


「………ちょっと待っててね」



そう言って雲雀は応接室から出ていく。ドアの前で誰かと話しているみたいだ(たぶん草壁だろう)







「お待たせ。ついでにタオルも持ってきたから、これで拭いてから着るといいよ。じゃあ僕は部屋の前に居るから」


「………何で?別に中に居てもいいゼ」


「……今隼人は一応女の子でしょ。だからだよ。じゃあ着れたら呼んでね」


「……………」


「………隼人?」



「!?お、おう。制服サンキューな、ヒバリ」












「………で、何でこれなんだよ」



ソファに座り眉間に皺を寄せながら、すぐ隣に座る雲雀を睨んだ



「いいじゃん似合っているんだから」



少し前の自分を恨んだ。何で………何で…………



「なかなか着れる機会がないよ、女の制服なんて」



女用のブレザー持ってきた奴にお礼なんか言ったんだよ!!



「……怒ってる?いいじゃん可愛いんだから」


「良くねぇよ!!」



オレの今の格好は、シャツの第一ボタンを開け、リボンをつけ、上から紺色(黒色?)のセーターを着ている
ちょっとでかいのか袖からは指しか出てねぇ
そして一番気に食わねぇのは、この短いスカートだ。こんなに短いとスースーするだろ!!



「隼人は今女の子なんだからその格好は普通。だから大丈夫」


「……………女の子」



獄寺は俯く



「ん?どうしたの?」



もしかして具合悪い?
それともお腹空いた?
あっ制服とかキツくないかな?



「……………」


「本当にどうしたの、隼人?」



雲雀は心配そうに獄寺の顔を覗き込む
が、獄寺はプイッと顔を背けた



「何か僕嫌なことした?もしそうから言って。怒らないから」



雲雀は隼人を抱きしめ、頭を撫でる







「なぁ、ヒバリはその……オレが女の方がいいのか?」



しばらくしてやっと獄寺は口を開いた



「どういうこと?」


「だって、オレが女になってから急に優しくなった。すげぇ女扱いするし………
れ、恋愛って男女でするモンだろ?だから本当は男となんか嫌なのかなって………」



雲雀のことが好きって分かった時は不安だった
――男のオレが好きになっていいのか、と

雲雀に告白する時は怖かった
――気持ち悪いと言って拒絶されるのでは、と

雲雀と付き合ってからは毎日怯えていた
――いつか捨てられるんじゃないか、と



「………君馬鹿だね」


「はぁ?」



予想外の言葉に思わず顔を上げた。そして雲雀の両手でほっぺを挟まれ、俯けなくなった



「は、離せヒバ「誰が恋愛は男女がするものって決めたの?
僕はいつ男は嫌だって言った?」


「………………」


「まぁ仮に決められていても僕は従わないけどね
それに僕女苦手だから隼人は男でいいの」


「……女苦手なのか?」


「まぁね。だから隼人が女の子になった時、どう接すればいいのか分からなくて。だから優しくしちゃったのかな
今思えばいつも通りに接してもよかったんだね
不安にさせてごめんね」



そう言って唇を重ねた



もしもオレがだったら


女嫌いのヒバリはオレのこと好きにならなかったかもな、と唇を離してくれた後言った

そしたら確かにね、って言って笑った



「………どうしたの?」


隼人は抱きつかれたまま雲雀の顔を見上げ、じっと見ていた



「そこは普通「例え女でも僕は君のこと好きになっていたよ」とか言うことねぇか?」


「……言ってほしかった?」


「…………別に//」



END


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