獄寺受け
□君の体は僕の物
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モクモク
モクモク
「ふー……」
肺いっぱいに紫の煙を吸い、そして吐き出す
「……………」
「やぁ隼人」
「おわっ!?」
しばらくそんな様子を見ていた後、背後から近づいて声をかけた
そしたらこの子は僕の予想以上に驚いた
「おおおお驚かすな馬鹿!!」
「クスッ、隼人驚きすぎだよ」
「うるせぇ!!」
そう言って携帯灰皿を出し、その中に吸いかけの煙草を押し込んだ
「……どうしたの?煙草吸ってたって前みたいに怒らないよ」
「……別に」
「……まさか、煙草は周りにいる人間の体にも影響を及ぼすから、とかじゃないよね?」
確か僕達が付き合い出した頃、「煙草って周りにいる奴らにも悪影響を及ぼすんだってよ。保健の授業で先公が言ってた」って聞かされたな
その事を思い出して聞いてみたら、そのとたん隼人が固まった
「……もしかして図星?」
「……………」
「黙っていると肯定とみなすよ」
「……………」
隼人はコクリと頷いた
「……ハァ、僕は煙にやられるほど柔(ヤワ)じゃないから大丈夫なのに」
そう言って微かに震える隼人を抱きしめた
「……でも、さ……お前は、オレにとってすげぇ大切な人だから、あんまり傷つけたくねぇ、っていうか……」
僕のシャツを掴み、俯きながらぽつぽつと話し出した
「じゃあ隼人も煙草やめて」
「えっ?」
話し終わった後に僕は口を開いた
隼人は俯かせていた顔を上げる
目尻にほんのり涙が浮かんでいた
「僕だって隼人の事すごく大切だって思っているよ。だから傷ついてほしくないとも思っている」
指で涙を拭ってあげる
「だから僕のために煙草吸わないで、ね?」
「うー。でもオレさ、ダイナマイトに火ィつける時に煙草が必要だから……」
「自動発火式にすれば?アニメだってそうしているでしょ」
「……でもでも、煙草って止めるの大変なんだぜ。オレかなり依存しちまっているし」
「じゃあ……」
両手で頬を包み、顔を固定する。整った隼人の唇に僕の唇を近づけていく
「煙草吸ったキスね」
「……ん//」
チュッと音をたてて合わさる唇
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