獄寺受け

□パイナップル姫
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昔々ある所に犬、千種、クロームという少年少女が住んでいました。3人は未成年で恋人や夫婦という仲でもないので、当然子供はいません

ある日、いつも通りクロームは川へ洗濯を、犬と千種は山へ竹を取りに行きました



「腹減ったびょん……」

「犬、さっき食べたでしょ」



面倒くさそうに竹を切る千種はそう言った



「大体何れ竹なんらよ!!どうせなら食いもんが良かったびょん!!」

「話の設定上仕方ないよ」

「あ〜どっかに食いもん落ちてねぇかな」



犬は辺りをキョロキョル見回す



「あっ、」

「どうしたの、犬」

「光るナッポー発見びょん」



犬はナッポーに向かって走っていく。千種も気になったので付いていった



「これ食えるんか?」



竹薮にパイナップル。青白く光るそれ。そこだけに発生してる霧

どこからどう見ても怪しい……が、犬はそんな事に微塵も気づかない



「切って持って帰ろうか」

「ブス女にも食わせるんかよ」

「クロームは家事全般を色々してくれてる。もし居なかったらオレ達がしているんだよ」

「ゔっ、……仕方ないら」



犬は渋々答える。千種は竹を切る時に使っていたヨーヨーを構える



「ち、ちょっと待って下さい!?」



するとどこからか男の声が聞こえた。霧が一層濃くなって……






「今このナッポーを真っ二つに切ろうとしましたね。この人でなし!!」



霧が晴れると青い髪の男が立っていた



「………犬、帰ろう」

「そうらな」

「クフフ、別に怖がらなくてもいいんですよ
僕は決して怪しい者ではありません」



片足をナッポーに突っ込んだ男が何を言ってる。房も頭に乗せて……ってあれ髪の毛だった
二人は同じ事を思っていた



「………犬、帰ろう」

「そうらな」

「だから僕は怪しい者じゃありませんから待って下さい!!」



ナッポーから足を抜き、二人の腕を掴む



「ナッポーから出てきた時点でかなり怪しいよ」

「どうやって入っていたんら?」

「話が進まないのでひとまず僕を連れ帰って下さい!!」

「無理。もう1人養える程オレ達は裕福じゃない」

「!?では僕が食料を調達してあげます」



そう言って指をパチリと鳴らすと大量のナッポーが出てきた



「美味そうらびょん!!」

「僕にかかれば朝飯前です。どうですか?これで僕をお持ち帰りする気になりましたか?」



千種は首を縦に振った


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