その他
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雲獄
9月8日
明日は僕の恋人、獄寺隼人の大切な日
もちろん僕にとっても大切な日であるけどね
それは獄寺がこの世界で生を与えられた日、誕生日だ
約4ヶ月前、僕の誕生日に獄寺からネックレスをもらった
彼はこういうアクセサリーが好きみたいだ
だから彼の誕生日にもアクセサリーを贈りたいと思っているが……
「ねぇ獄寺。そういうのっていつもどこで買ってるの?」
昼休み。購買のパンを食べ終わりくつろいでいる獄寺に、雲雀はそう聞いた
獄寺の指を指差しながら
「指輪の事か?つーか何でいきなりそんなこと聞くんだよ」
「別に。いいから答えて」
「……イタリアから取り寄せてる」
「へぇ……」
「あとこのブレスレットとかも……」
獄寺が色々と説明している。が、その声は雲雀に届いていない
「(参ったな。まさかイタリアから仕入れているなんて)」
獄寺の好きな店で買ったモノなら喜ぶと思ったのに……
誰かにプレゼントする、という経験がない雲雀は何をあげればいいのか分からなかった
そして自分の誕生日の時に言った「10代目がヒバリの好きなモンあげたら、と言って下さったから」という獄寺の言葉を思い出し、たぶん好きだろうシルバーアクセをプレゼントすることにした
「……ヒバリ?聞いてるか?」
「!?」
獄寺の呼びかけで我にかえる
「……うん。獄寺が可愛いって話でしょ」
「違う。もういい」
ソファから腰を上げた
「どうしたの!?」
「教室に戻る」
「まだ昼休み終わってな「それでも戻る。じゃあな」
ズカズカとドアまで歩き、少し荒々しく開けた
「獄寺待っ……」
言い終わる前にドアは乱暴に閉められてしまった
廊下を走る足音が、段々小さくなっていく
「……馬鹿ヒバリ//」
しばらく走った後、廊下の角で座り込んだ獄寺
「おはようございます、10代目!!」
「おはようなのな、ツナ!!」
「おはよう獄寺くん。た、武//」
「(朝の時の、あの10代目と山本の嬉しそうな顔が離れない……)」
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