その他

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2月14日。それは男にとっても女にとってもドキドキのイベント


男は好きな女のチョコを期待し、女は好きな男を振り向かせる為に奮闘


まぁオレにはそんなイベントは大したものではなく、むしろチョコを渡しにくる女共がウザくて仕方がなかった
(甘いモンくれるのは嬉しいが、貰うとウザいくらい絡んでくるから逃げる)



でも今年はそういうわけにはいかなくて――











「はぁ……」



獄寺は屋上で1人ため息をつく。右手に持つ煙草の煙がゆらゆら浮かんでは消える



「どうしようかな……」



2月8日、獄寺は悩んでいた。その原因は一週間後に控えたバレンタイン


日本では女が好きな奴にあげるらしい



「オレもあげた方がいいのかな……」



オレの恋人、ヒバリはこういう行事には疎い方だと思う。だからチョコなんてくれない、と思う

だからオレがあげようかとどうか悩んでいるのだ



「あげたい、けど……そんな女みたいな事……
でもお返しで3倍返ししてくれるしな……」



べ、別にお返しが目的じゃねぇぞ!!ヒバリが好きだからであって……



「あーでもヒバリって甘いモン苦手そうだしな……」

「だったらビターチョコにしたら」

「ビターチョコ?そっか。それなら少し苦いからヒバリにピッタリだな!!」



獄寺はうんうんと頷く



「あと手作りの方が気持ちが籠もるから、相手も喜ぶんじゃない?」

「て、手作りか……」

「でも私的はね、獄寺君をチョコでコーティングした方が絶対ヒバリさん喜ぶと思うよ」

「………はぁ?」



オレはそこでやっと1人しか居ないはずの屋上で自分が会話をしていた事に気づく



「もしかして透明人間!?」



キョロキョロ周りを見渡すと……



「白い肌にチョコの色が映えてすごく綺麗だと思うの。ねぇ、やってみない?」

「さ、笹……川?」



目を輝かせながら語る笹川京子を発見した



「何?」

「何、じゃねぇよ!!何でお前が居るんだよ!!」

「それでどうする?手作りチョコにするの」

「(……何で笹川が居るかは考えないでおこう)でもオレ料理とか出来ねぇぜ」

「じゃあ良かったら私が教えてあげようか?」

「えっ」



いきなりの提案に獄寺は若干目を見開く



「えっと……じゃあそうして………。…………………やっぱり遠慮しとくぜ」



途中で言葉を切り、考える。そしてNOの返事を出した



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