ツナ獄


「ねぇ獄寺君。もしさ、オレがボンゴレのボスにならなかったら……側から離れていく?」



ある日2人っきりの帰り道。突然ツナは獄寺にこう聞いた



「10、代目……」

「だってオレがボンゴレのボスになるから獄寺は側にいてくれるんでしょ?
そうじゃなかったらこんなオレの側なんていてくれるわけ「そんなことないッス!!」



思わず獄寺は叫び否定する



「確かに最初はそうでした。ボンゴレ10代目になる人物がどんな野郎なのか気になりましたし、付いていくと言ったのも純粋にこの人になら忠誠を誓えると思ったからで……

でもオレは、その……一緒に過ごしてるうちに10代目が好きになったのです、恋愛対象として」



その言葉にツナは世界が止まったような錯覚に陥った


そして……



「えっ!?獄寺君って山本が好きなんじゃなかったの!!」



やっと発することの出来た言葉はこれだった



「な、何で野球馬鹿なんスか!!」

「だ、だって山本見ている獄寺君、たまに切なそうで……本当は山本に対して素直になりたいのかなって。だからてっきり山本が好きなんじゃないかって思ったよ……」

「そ、それはですね……10代目を気軽に名前で呼べる山本が羨ましと言うか……呼べない自分が悔しかったと言うか……
本当は呼びたいんスけど、急に変わったら怪しまれるのではないかとか、つーか恥ずかしくて……」

「そ、うだったの?……じゃあ今呼んで」

「!?」

「二人だけだから大丈夫だよ」



そう言ってにっこり笑う



「で、でですが10代「オレも獄寺君の事好きだよ、恋愛対象として」

「え、えぇ!?」

「だからオレが呼んで欲しいの。これは10代目命令」



ツナは顔を近づける。その途端獄寺は顔が真っ赤に染まった



「あっ、うぅ……あの……」

「獄寺君?」

「…………ツ、ツナ……さん」

「さん付け?」

「あ……す、すみません。慣れなくて……」

「……いいよ。でもいつか呼び捨てで呼んでね」

「はい!!あとそ、それから……」



言葉に詰まり獄寺は俯く。次の言葉を探すように目をキョロキョロ動かす。そしてゆっくり口を開いた



「で、出来ればでいいんですけど……オレも名前で……」

「(あ、山本のことは呼び捨てだけど、獄寺くんはくん付けだからね)」

「あーやっぱりいいッス!!オレ呼ばれたらきっとうれ「隼人」

「……へっ!?」

「隼人。……って、な、泣いてる!?もしかして嫌だった!!」

「えっ、あ、すみま、せん。オレ名前で呼ばれたらきっと嬉しく泣いちゃうんじゃないかと思っていたので……」

「……隼人」



ツナはフワリと隼人の顔を手で包み、自分の方に向かせた



「隼人……好きだよ」

「じ……ツナさん。……オ、オレもッス」



そして二人の唇は重なった


END
 


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