short story

□屋根裏部屋での密やかな談笑
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夜になるとね、天井に開いた穴から、誰かが私を見つめているのよ。
青い瞳でね、それはとっても綺麗で、怖いのだけれど、なぜか興味をそそられるの。

「パパ、屋根裏部屋には何がいるの?」

いつも、ベッドに横になって眠りに着く前にパパに聞くと、何が可笑しいのか、笑いながら言うのよ。

「この家には、屋根裏部屋なんてないよ」

それじゃあ、あの瞳はなぁに?

不思議がっている私の頭を撫でて、「おやすみ」ってパパがいなくなった瞬間、ほら、あの瞳が現れた。
こっちを、じっと、小さな穴からのぞいているのよ。

ベッドに仰向けになったままで、私はとても長い時間、その瞳と見つめ合った。
不思議な感覚。声が聞こえるわけでもないのに、私を呼んでいるような気がするの。

「あなたはだぁれ?」

声には出さずに心の中で問いかけてみたけれど、もちろん、返事はない。
耳が痛いくらいの、夜の静寂だけがある。
それなのに、微かにその瞳がきらめいたような気がした。

やっぱり、私を呼んでいる。



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