学園へと続く扉

□第1話
ある日曜日、記念館にて
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「かなたっ!どうしてお前ってヤツは…」


サラリとした黒髪に、真面目さを割増しさせるような眼鏡(めがね)をかけた少年が憤慨(ふんがい)する。


「だってだって!あのコたちは何もひどいことなんてしてないのにっ!それなのにっ…!」


彼と机を挟んで、向かい側に座っている『かなた』と呼ばれた少女がそれに反論する。



年齢よりも、やや幼く見える顔。怒りなのか悲しみなのか、どっちともとれない感情によって、唇がワナワナと震えていた。


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