学園へと続く扉

□第1話
ある日曜日、記念館にて
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とある日曜日の昼下がり、名門校である私立境野(さかいの)学園小等部。その広い敷地内の片隅にある、赤レンガ造りの古びた記念館。


普通に学園生活を送っていれば、まず滅多に立ち寄ることのないその建物の2階にある、教室ほどはあろうかというくらいの大きさの部屋で、少年と少女は言い争いを続けていた。


そうするたび、大げさな彼女の動きに呼応するように陽光を浴びて輝くツインテールの赤毛と、彼女の幼さを割増ししてしまいそうな可愛らしい、フリル付きのスカートがバサバサ音を立てそうなくらいになびく。


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