『口を塞ぐ』

 基本的には物を食べたり飲んだりできなくして犠牲者を苦しめるもの。時には塩辛い食べ物を食べさせた後でこのタイプの器具を付け、目の前に水を置いて責めると言う事も行われたようだ。

<猿ぐつわ>拷問具/補助
 器具というには語弊があるが、拷問の際に使用されることが多いので一応ここに分類した。
 悲鳴を押さえる、舌を噛み切ることを防ぐなどの目的で使用される。原理としては単純で、舌を押えつけるような形で丸めた布を口の中に押し込み、吐き出せないように唇と歯の間に通した縄(もしくは布)を後頭部で結ぶというもの。
 西洋で使われるギャグとほぼ同じ原理だが、こちらのほうが呼吸を妨げる度合が大きいために苦痛が激しく、嘔吐した場合などは喉に詰って死に至る可能性もある。

<ギャグ>拷問具/補助
 日本の猿ぐつわと同様に拷問の間など比較的短い時間口を塞ぐためのもの。
 木や鉄の棒を咥えさせ、後頭部にベルトで固定するもので、棒によって舌の動きが阻害されるために舌を噛んだり言葉を喋ったりすることが出来なくなる。
 ボール状になっており、通気孔の空いたものもある。

<鉄仮面>拷問具/補助
 口を塞ぐ鉄製の器具。鉄仮面は顔全体を、飢餓のマスクは口元だけを覆うという違いがあるが、与える効果は同じ。ヘラ状の鉄の板が舌を完全に押さえ込み、更に口を大きく開けた状態で固定する。
 基本的には絶食による苦痛を与えるもので、呼吸は妨げないようになっている。とはいえ全く会話はできず、食べ物どころか水すら飲めない状態はかなりの苦痛を与えることができたと思われる。

<苦悩の梨>拷問具/補助
 洋梨状の鉄製の器具。細い側に捩子があり、太い側は四つに割れて広がるようになっている。これを口にいれて捩子を操作し、口を大きく開いた状態で固定した。
 サイズによっては顎の骨を砕くことが可能なサイズのものもあるが、本来の使い方は鉄仮面などと同じで飢餓を与えることである。同様に、捩子の操作で刺が伸び、口の奥に突き刺さるようになったものもあるが珍しいものである。また、金属製の器具である為熱して用いることもできるが、やはりそういう使用方はまれで、傷つけることよりも口を塞ぐことで声を出すことも物を食べることも出来ないという苦痛を与えることを主目的とした器具であるようだ。
 洋梨状の器具は意外と数が多く、口用のもの、肛門用のもの、膣用のものなどがある。どれも原理としては同じだが、外側に棘の付いたものも存在した。

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