『つかむ』

 人の肉や肌を器具で挟みこみ、引っ張ったり捻ったりして苦痛を与えるということは拷問の最中にはよく行われた。それ自体が独立した拷問として行われることは珍しいが、拷問に更なる負荷を掛ける為の手段としては火責めと並んでよく行われていたようだ。

<ペンチ>拷問具/補助
 掴むタイプの拷問具の基本形。現在工具として使われているものと形状は変わらない。大きさは、様々だが、人間の肉をつまんで引っ張ったり捻ったりして苦痛を与えるという使用方は変わらない。
 物を挟む部分は平らか滑り止めの為に多少のギザギザが刻まれているだけの物が基本で、先端の形状に工夫を凝らした物は別の名称で呼ばれることが多い。鉄製器具の例に漏れず、火で熱してから使われることも多かったようだ。

<スペインの蜘蛛>拷問/単独
 内側に湾曲した大きなフォーク状の部品が二つ組み合わさったもの。ペンチの物を挟む部分がフォークのようになっているもの、ということも出来る。その先端が肉を貫く為に苦痛や出血が大きく、また比較的大型の器具であるためか独立して使用されることが多い。
 乳房裂き器と同じように主に女性に対して使われた器具で、胸を二つのフォークで挟みこむようにして使う。時には、胸でなく腹や尻を挟みこむこともあったようだ。掴んだ後は手に持って捻ったり引っ張ったりする他、天井から吊るすような事も行われた。

<釘抜き>拷問具/補助
 ペンチの先端がL字型に曲がっているもの。その曲がった先はVの字型に切れこみを入れてあるのだが、スペインの蜘蛛とは異なり、肉に突き刺さるような設計にはなっていない。
 普通のペンチに比べると、狭い範囲で肉を挟みこまれる為に苦痛の度合が大きい。

<鉄鋏>拷問具/補助
 両手に持って使う大型のペンチで、全体が鉄で作られている。物を挟む部分は棒状ではなく、半円形に湾曲している場合が多い。
 女性の胸や腹、尻などを対象に使われることが多く、全身の力と体重をかけて捻れる為に苦痛が甚だしい。時には、真っ赤になるまで加熱してから使われることもある。

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