クロック
□Standing There
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教室の窓から覗く景色に普段はないものが目に入ってくる
見たくない、そう思うのに目が放せなくて…それにじっと見入っていると
ぷにぷに
頬を何かで突付かれた
そのされた行為に驚いて捕らえられていた視線が自由になる
突付かれたほうに目を向けるとそこには満面笑顔の槌谷が頬杖を付いて俺を見ていた
「どしたの?ジュリエッご機嫌ナナメ〜??」
「あぁ。お前のせいでな」
「えぇぇぇえ??なんでなんで??」
「ウゼえ」
これ以上無いってほど身を乗り出してくる槌谷の顔を手で力いっぱい遠ざける
そのままの体制で俺はクセでまた外に視線をやろうとした
すると俺より長い腕が槌谷から伸びてきて逆にその手に顔を包まれた
「何すんだよ」
不機嫌なのが分かるように低い声で言ったのに槌谷の手は離れようとしない
いつもならすぐに放すのに…
槌谷が何をしたいのかわからない
とにかく俺は槌谷の顔を押さえていた手を外して自分の顔をはさんでいる手を掴んだ
「放せよ…」
「やだよ〜〜〜!」
「…んでだよ!」
全力を手に集中させてるのにまったく動かない
ひょろ長く見えるのに意外と強い力に俺は諦めて手を放す
そしてムカついた腹いせにみぞおちに一発食らわせた
「ぐっ…イタイよ…」