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□スキのカタチ
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「好きだ、ナルト!」
「へっ……あー…え?うん?俺も、好きだってばよ?」

 意を決し、ナルトに思いを告げれば、あっさりと好きだと言われた。
 俺の悩んだ日々は何だったんだ。否、待てよ……今の台詞、疑問形じゃなかったか?

「……ナルト、意味分かってるか?」
「えー、あー……多分?」

 その細い両肩に手を置けば、きょとんとされ、思わずうなだれてしまった。
 ぜってぇ、分かってねぇだろ。

「サスケ?なぁ、話ってそれだけかよ?俺ってば、これからイルカ先生と一楽に……」

 “それだけ”だと?人が散々悩んできたってぇのに。
 頭にカッと血が上り、その細い肩を壁に押し付けると、有無を言わさずに唇を重ねた。

「ふむっ…はふっ……んんっ」

 見開かれた蒼い双眸がキュッと閉ざされ、唇がうっすらと開いたのを見逃さずに、舌をねじ込んだ。

「んぐっ……んっ…はぁっ」

 わざとらしく水音を立てて舌を吸い、口腔を舐め回していると、舌先をガリっと噛まれた。

「つっ……」

 口の中に血の味が広がる。

「何すんだってばよ!」
「てめぇが分かんねぇからだろ」
「あんだとぉ!」
「多分って何だよ……俺がどんだけ悩んだと思ってんだ?イルカと一楽だぁ?人が真剣に話してんのに……てめぇは…ふざけんな!」

 苛々が頂点に達し、驚きに目を見開いたナルトを解放して背を向け、足を踏み出した。
 いつだってそうだ。あいつは、イルカやカカシにばかり、笑いやがる。俺には突っかかってくるだけじゃねぇか。
 気に入らない。

----笑えよ。

 くそっ、気にいらねぇんだよ。気に入らねぇのに……どうすることも出来ず、背を向ける自分に一番腹が立っていたのかもしれない。

「待てよ、サスケ!」

 ドンッ----
 明朗な声と共に、背中に衝撃が走った。それが、ナルトに抱きつかれたと気付くのに、十数秒かかった。

「何だよ、お前!突然呼び出して、怒り出して!訳分かんねぇってばよ!」

 背中にグリッと頭が押し付けられ、振り返ろうとすると、柔らかな手が胸に回され、後ろから抱きすくめられた。
 視線を落とせば、白い指が俺の服をギッチリ握りしめていた。

「そんなんだから……サスケの言葉、どれが本当なのか、さっぱり分かんねぇよ!」

 白い指が震えていた。
 今、このウスラトンカチは何を言ってるんだ?
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