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□優しいキスをしよう?
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「なにを今更な事言ってやがる。あぁそれとも漸く、白状する気になったか?」
元々サスケは無表情でいる事が多いけど、今は無表情を通り越して良く出来た人形みたいに見える。
普段は冷静過ぎる程に冷静なサスケが、なにを勘違いしてんのか知らないけど、これは恋人に対する酷い侮辱だってば。
信じて貰えない哀しみより、理不尽極まりないサスケに悔しくなってきた。
「いつオレが浮気なんて、したんだってばっよっ!」
オレってば物凄くムカついたから、付き合う前みたいな喧嘩腰になっちゃった。
「ちっ!往生際が悪いぞナルト。だったらその首筋の、紅いキスマークはなんだよ?」
勝ち誇った様なサスケは、オレの首筋である一点を指差してる。
「キスマーク?」
言われてその場所らしきトコに手を当てたら、あー確かにキスマーク位は付いたかもしれないと思って、解けた謎にバカバカしくなっちゃった。
「……サスケって……記憶力ホントは悪いんだってば?自分でやっときながら、なんでオレの事責めるんだってば?」
「自分で?」
「……昨日オレが帰る時に玄関でキスしてた時に……サスケがやったってば……忘れちゃったんだ……」
初めてキスした事に浮れて、サスケの唇の感触を思い出してはニヘラニヘラしてたオレは、ベッドに横になっても心臓がドキドキしちゃって眠れなかったのに、当のサスケが忘れてるなんてあんまりだってば。
サスケとオレのファーストキスは事故だったから、歯がぶつかって痛かったとしか覚えてなくて、昨日の二度目のキスには吃驚しながらもさ、嬉しくって堪らなかったのに。
まるで天国から地獄に、突き落とされたみたいだってば。
「……悪い……その……自分でやった事を忘れてたらしい……」
「昨日の事なのに?」
オレはすぐに間違いに気付いて謝ってくれたのと、無実なんだと信じて貰えた事に安堵しながら、サスケにちょっぴり意地悪したくなっちゃったんだってば。
ジンジンし出した頬を押さえて、軽く俯き哀しみをアピール。
「あー悪かった……今度一楽のラーメン奢ってやるから……」
シメタ!一楽のラーメンゲット!
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