読物

□お父さん僕は
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けれどもえてして子供は、親が思って居る程、子供でいてくれない。
間近で見ていなければ解らない。
あの言い様の無い。
二人の間の微妙な空気。
それに挟まれたサクラの気まずいため息。
俺は知らん顔を決め込んでいたが、この間。
ナルトの目に入った砂を、サスケが舌で取ったのには度肝を抜かれた。
「ガキの頃、母さんがこうして取ってくれた。」
「サスケ。サンキュー。」
頬を染めて笑うナルトに、サスケの満足気な顔。
あれは正に、雄の独占欲。コイツは俺のもんだ的意識見え見え。
別に俺としては良いよ。
ナルトに好きな相手が出来て、例えそれが男でも。
「でも、物には順序があるってもんでしょう?」
事情を説明する俺の話しに、イルカ先生は引き気味だ。
「え、えー。それは単純にお母さんと同じ様にしただけで…別にサスケに他意はなかったんじゃ。」
信じたくないらしい。
ま、実際目の当たりにしなきゃ、はいそうですかってワケに行かないのも理解できる。
「いやぁ…イルカ先生も実際を見れば解ると思いますよ。」
ちびりと焼酎を舐めて、俺は取り敢えず苦笑する。
と、その瞬間。
ナイスタイミングと言うか、バッドなのか、パックンがドロンと現れた。
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