読物

□迷子犬
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「お前「そんな細かいこと気にすんなてば〜こんな処で立ち話もなんかおかしいてば、サスケはこの里詳しいてば?散歩がてら色々案内しててば、歩きながら話した方がエロ仙人や大蛇丸達に見つかる心配も少ないだろうし」

自分が話そうと思っていたのにナルトの言葉によって自分の言葉をかき消されてしまったサスケは不服そうな顔をしながらもナルトの言葉に従い、ナルトに里を案内した。
歩きながらナルトに色々と聞こうと思ったのだが、ナルトは上手く俺の質問をはぐらかし次々と違う話を出してくる。
今の自分の状態や、俺が抜けた後の里の話・・・
ナルトを裏切った俺を恨むような事は一度も言わずただ楽しそうに話続けるナルト・・・
一年前に戻ったような錯覚を起こしそうなくらいナルトは普通に俺と話す。
しかし現実は違う・・・
俺はナルトを裏切り自分の野望に走った・・・
それは間違いなく現実で・・・
今こうしてナルトと普通に話してる方が間違ってる。

「ナルト・・・」

ナルトと一緒に歩いていたはずのサスケがいつの間にか立ち止まり後ろからナルトを呼びとめる。
ナルトは振り返り後ろに顔を俯かせ立つサスケを不思議そうに見つめた。

「俺はお前を裏切った・・・なのに何故お前はこんなにも普通に俺と話すんだ?俺はお前を捨てたんだ、自分の野望の為に・・・」

顔を顰め苦しそうに話すサスケを見てナルトはクスッと笑いサスケの正面に立った。

「別にいいんじゃないてば?サスケの野望を達成するには大蛇丸の所に行くのが最善の策だった・・・ただそれだけだってば、確かにその行為は里を裏切る行為だってば・・・でも俺を裏切ったわけじゃ無いてば、俺はサスケを連れ戻す為に今修行してるわけじゃ無いてば、サスケが野望を達成できた時に里に帰りやすくする為に修行してるってば、里を裏切ったサスケを思い追う者がいなければ野望を達成した時にお前が帰りにくいてば」

「しかし・・・俺は大蛇丸に・・・」

「サスケは大蛇丸よりも強くなるってば、だから俺てばサスケが大蛇丸に食われるとか思って無いてば、だから頑張って野望を達成して里に帰ってくるってばよ」

ナルトはそう言うと満面の笑みをサスケに向けた。
サスケはナルトの意外な言葉に恥ずかしそうに微笑みナルトを見つめた。
一年前と何も変わらないナルトの笑顔。
今は野望を達成するのが第一だけれども・・・
全てが終わったら・・・
帰るよ・・・
ナルトの所に絶対帰るよ。

「ところでサスケお前欲求不満だってば?」

物思いに耽っていたサスケだったがナルトのとんでもない言葉に真顔になりナルトを見つめる。

「なっ・・・何言いやがるドベ!」

サスケの言葉にナルトはムスッとしながら辺りを指差した。
サスケは今自分達がいる場所に狼狽しまくった。
あきらかに妖しいだろうと言いたくなるような建物が立ち並び、建物の前にはこれまた妖しい看板に一泊一両などと書かれている場所・・・
どうやら考え事をしながら歩いていたせいでホテル街に来てしまっていたようだ。

「違う・・・ちょっと考え事をしてたから・・・違う!いやらしい事を考えてたわけじゃない」

狼狽しまくるサスケにナルトは冷たい視線を送る。

「違う、本当に違う、欲求不満か?と聞かれたら欲求不満だけど・・・だからってこんなところにお前を連れ込もうとか考えてなんかいないから」

ナルトはあまりにも慌てるサスケがおかしくて笑いだす。
ナルトが急に大笑いしだしサスケはどうしたものかと辺りをキョロキョロと見渡す。
そんなサスケにナルトはニッと解りかけ、サスケの手を掴み一軒のホテルへとサスケを連れ込む。

「おい・・・ちゃっと待て「いいから付いてこいてば、歩くのにも疲れたしちょうど渡したい物あるからちょっとここで休憩するってばよ」

ナルトに連れられるまま妖しいホテルに入ってしまったサスケ。
ナルトはこおいったホテルになれているのか手際よくフロアーの大きな液晶パネルから部屋を選びカチカチと光る案内看板に従い部屋に入っていく。

「お前・・・何でこんなホテルの泊まり方なんか知ってるんだ?」

「エロ仙人が宿代も馬鹿になんないからてたまに泊まるんだってば、ラブホは二人分料金取らないから」

ナルトが如何わしい事をする為にこおいったホテルに泊っていたわけでない事を知りサスケは少し安心する。
しかし部屋の中まで如何わしいんだな・・・
こんなところでナルトと二人きり・・・
何俺は考えてるんだ・・・
ナルトは休憩する為に入っただけ・・・
それにちゃんと付き合ってる時でさえ頼みこまなければさせてくれなかったナルトだ、そう簡単にさせてくれるわけが無い。
でも一年も禁欲生活していてここまできて何もしないとかもったいない・・・

「サスケ今何考えてるてば?顔が怪しいてばよ?」

怪しそうな顔をしながらこちらを見るナルトにサスケはたじろぎながら「何も考えてないぞ・・・」とナルトの言葉を否定する。
ナルトは疑うようにサスケを見つめながら自分の上着のファスナーを下し始める。

「なっ・・・何してるんだお前?」

ナルトは上着のファスナーを下し終わるとサスケの目に立ちズボンのポケットから革でできたベルトのような物を取り出しサスケの首にそれを締めた。

「サスケが野望をちゃんと終わらせたら俺の所に帰れるように首輪付けといてやるてばよ」

ナルトの言葉にサスケは自分の首に嵌められた首輪を手でなぞりナルトをマジマジと見つめた。
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