読物

□明るい空
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 気持ち悪い。
どっかの大人がそう言うのを聞いた。
それから。
少し興味を惹かれて見ていた彼は、ずっと一人だった。

自分と同じ。




 自分で決めた修業場に向かうシカマルは、ふと茂みの向こうに気配を感じて足を止めた。
そっと気配を伺えば、溜息が出る。
良く知った白い喉がのけ反る。
彼は実際、可愛いらしいと思うが、彼に欲情する大人は見苦しい。
多分彼は忍では無く、何も識らずに無防備に見える彼をカモにして、そしてそんなものでさえ必要とするナルトが憐れでならない。
ほっときゃ良いのに。
何度もそう思ったけれども、いつでもシカマルは世話を焼いてしまう。
放って置いたら多分。
後悔するから。


軽い一撃で男を眠りにつかせたシカマルは、散らばったナルトの衣服を集めて彼へ放った。
いつまでも草むらに転がっているナルトに蹴りを一つくれてやれば、やっと服を着る気になった様だ。
「もういいかげん拒否れよ。つか、外ですんな。」
発見するこっちの身になれ、面倒くせぇ。
「ごめん。最近良くサスケが来るから、家は駄目なんだってば。」
「そんで外でして、誰かに見つかったら、結局面倒くせぇ事になると思わないわけ?」
「うん…。」
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