読物

□沈まぬ太陽
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 「いただきます。」
「どうぞってばよ。」
礼儀正しいサスケにナルトは笑う。
ナルトが笑えば、サスケも愁眉を開く。
「今回は長かったの?暫く、姿を見なかったけど。」
和風下ろしハンバーグは自作ながら中々美味だと一人ごちながら、ナルトはサスケを伺った。
「ああ。わざわざ俺に振るような仕事とも思え無かったが…。一週間程。」
「へぇ。」
変なのと、箸をくわえたままにナルトは思案した。
一度里を抜けたサスケが木の葉に戻る事を赦された事由の一つに、ナルトの中に住まう九尾の管理がある。
封印が弱まり、以前に増して存在を強くした九尾を抑えるには、サスケの写輪眼が今の処一番効果的だから。
ナルトとしては、サスケ無しでも九尾を抑え込む自信があったが、臆病な上層部がそう考えるなら好都合だと、黙して頷いた。
「上はあんま、サスケを俺と離したがらないのにな。」今回はどうした事だろうと、ナルトは小首を傾げる。
「さあ…。なんでも相当に人手不足とか。まあどっち道俺に拒否権ねぇし。」
テンヤワンヤのあの一件以降、余り物事に頓着しなくなったサスケは黙々と箸を進める。
結構、ハンバーグは好きらしい。
「ふぅん。」
曖昧に頷いて、ナルトも止まって居た手を動かそうとしたところ、インターホンが鳴った。
来客だ。
イルカかカカシかと予測したナルトは、覗き窓を見て目を丸める。
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